みなさんは、「名もなき家事」という言葉を耳にしたことはありますか。
名もなき家事とは…
2017年に大和ハウス工業が共働き夫婦の意識調査をした際に、「名もなき家事」の実態が明らかになりました。
「家事」というと、「掃除」「洗濯」「料理」などの名のある家事が挙げられますが、名もなき家事とは名称がはっきりしていない家事労働を指します。
例えば「掃除」ひとつを取っても・・・
「ゴミ箱にゴミ袋をセットする」
「洗剤を詰め替える」
「トイレットペーパーを補充する」
「手洗いのタオルを取り替える」など
名もなき家事が無数にあり、そこには夫婦間で認識の違いがあることが判明しました。
家事分担の割合に対して、妻の認識は「夫1割:妻9割」が最多の37.3%を占めているのに対し、夫は「夫3割:妻7割」が最多の27.0%を占めており、妻の認識と比べ「家事をやっている」と感じている夫が多く、夫婦間の認識に相違があることがわかります。
参考:大和ハウス工業株式会社「共働き夫婦の意識調査」より
意識調査によると、男性は女性に比べ「トイレットペーパーがなくなった時に買いに行く」ということを家事と認識している率が女性と比べて開きがあり、また「靴を磨く」「町内やマンションの会合に出席する」といったことも男女間の家事としての認識に開きがありました。
認識の開きを考察すると、家事全般を担ったことがない男性は、誰かが「名もなき家事」をしなければ家庭生活が回らないことに気づいていないからかもしれません。
また「家事は女性の役目」と思っている男性も多いため、家事に関心がないという背景もあるでしょう。
参考:大和ハウス工業株式会社「共働き夫婦の意識調査」より
しかし、快適な生活を送るということは、無数にある家事の上で成り立っています。
共働き夫婦が増える今、多くの女性が「名もなき家事」の存在に反応するようになりました。
その背景には女性が仕事、家事、育児の両立で働きづめになっていること。
「男性も家事を分担すべきではないのか」という意識が高まっているからです。
グラフを見ていただければわかるように、上記の「あなたは以下の作業をしていますか」との質問に対し、男性が女性より「名もなき家事」を行っていると答えた項目は、わずか4つしかありませんでした。
現実問題として、家の管理をするのは女性の方が多く、平日に長時間働く多くの男性は「名のある家事」を女性の家事責任のもとで「手伝っている」状態です。
日本の女性の家事労働時間は先進国の中でも群を抜き高いことがわかっています。
夫婦間で「名もなき家事」を認識する、長時間働く男性も、
時間がある時にできる「名もなき家事」をできる限り分担する、
できない場合は家事のアウトソーシング化を図るなどが、女性の負担を減らすための解決策への第一歩と言えるでしょう。
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