ウェルシュ菌は本来、人や動物の腸管、土や下水など自然界に広く生息する細菌です。
しかし、この菌が増殖して食物とともに腸に届いて、毒素を作ると、食中毒を起こします。
忙しいお母さんの味方、カレーライス!
昔からカレーをドン!と大鍋に作って、2~3日かけて作り置いて食べる人は多いと思います。
しかし、最近になって・・・消費者庁がカレーや煮物などの煮込み料理を作り置きすると「ウエルシュ菌」が増え、食中毒になる恐れがあるとして注意を呼び掛けています。
「2日目のカレーは味がしみて美味しい」
「スパイスたっぷりのカレーは腐りにくい」
「食べきれなかったら、あとで鍋ごと冷蔵庫へ」など、思い当たる方もいらっしゃると思います。しかし、近年は危険すぎる「常識」として浸透しています。
ここ数年、「カレー」に繁殖しやすい食中毒菌として認知されてきた『ウェルシュ菌』をご存じでしょうか?
ウェルシュ菌は本来、人や動物の腸管、土や下水など自然界に広く生息する細菌です。
しかし、この菌が増殖して食物とともに腸に届いて、毒素を作ると、食中毒を起こします。
ウェルシュ菌は厚生労働省の報告でも「食中毒の原因ワースト3」に入るほど食中毒にかかる患者数の多い食中毒菌なのです。ウェルシュ菌患者が多い理由のひとつに、「大鍋料理」で増殖しやすいということがあります。カレーをはじめとする数々の煮込み料理が原因食品となることが多く、施設やイベント会場などでも食中毒が発生しています。
◉菌が増えていると気付きにくい
ウェルシュ菌は見た目も匂いも全く変化させません。だから気づかず食べてしまうし、腹痛の心当たりがすぐには思い出せないというおまけ付き。
◉100℃で煮ても菌は死なない
加熱すれば、たいていの菌は死滅しますが・・・
ウェルシュ菌は熱に強いため生き残り、温度が下がったときに菌がにょきっと出て復活、そして急速に増殖するのです。
なので、大鍋料理は菌が増えるばかりなのです。
◉密閉された場所でも菌は大繁殖
ウェルシュ菌は他の菌と違い、酸素のないところが大好きです。
大鍋の底にあるカレーは空気に触れることなく、栄養もたっぷりでウェルシュ菌の繁殖にはもってこいの場所です。
ウェルシュ菌の食中毒は、6時間から18時間の潜伏期間(食後平均10時間くらい)で発症し、下痢と腹痛が主な症状として現れます。
嘔吐や発熱はまれで、2日ほどすると症状がおさまることが多いようです。
では、つくったカレーや煮物が余ったときは、どうしたらよいでしょうか?
ウェルシュ菌の予防をご紹介します。
①急速に冷まして、急速に温める
②空気に触れさせる
③しっかり加熱して食べる
カレーのようにとろみがあって冷めにくい食品は、平たい容器に小分けにすると早く冷やすことができます。
調理した料理を冷蔵庫に一晩入れておくとき、大きな容器のままだったため冷えるまでに長時間かかり、その間にウェルシュ菌が増殖して食中毒が発生した事例もあります。
また、冷凍したものは解凍される間に菌が増殖しないよう、冷蔵庫でゆっくり解凍するか電子レンジなどで一気に再加熱しましょう。
また温め直す際は、グルグルとよくかき混ぜて空気に触れさせながら、中までしっかり火を通すことが大事です。
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